· 

倶会一処

令和6年元旦会にお配りした言葉、「倶会一処」です。

 

倶会一処とは『仏説阿弥陀経』にお示しされた「倶(とも)に一つの処(ところ)で会(あ)う」という御文で、同じ阿弥陀様のお浄土にて共に合わせて頂くという意味です。阿弥陀さまは私を必ず浄土に往(ゆ)き生まれさせ(往生)、仏にさせると願われて、今「南無阿弥陀仏」という声の仏となってこの私に到り届いて下さっています。

ようやくコロナが落ち着き、久しぶりに規制のないお正月を迎えることができました。しかしコロナの爪痕は色濃く残り、コロナ感染による後遺症、また自粛期間中はとにかく人との交流ができず、様々な分断を余儀なくされてきました。足が弱くなった、認知症が進んだという声も聞き、制約が無くなったとはいえ、いまだに苦しみが残ります。今年も恐らく様々な出来事が起こるでしょう。決して楽しいことばかりではないかと思います。しかしどんな世になれども、どんな私であって、必ず救う、任せよと喚びかけて下さる阿弥陀様のお慈悲は決して変わることなくこの私に届いて下さっています。自ら浄土に参って仏となりたいと思えないこの私ですが、この倶会一処と聞かせていただき、先に往かれた方とまたお会いできると聞かせていただいたならば、浄土に参り仏となっていきたいと思えるのではないでしょうか。共に浄土で会わせて頂く世界が私たちには広がっています。今年もお聴聞を大切に致しましょう。