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おかげおかげ

今月よりポスターの言葉と味わいは明専寺オリジナルとなります。

 住職はNHKの朝ドラが大好きでよく見ております。15分という時間の中に様々なドラマが織り込まれ、時にはドキッとする名言も出てきます。最近BSで「まんぷく」が再放送されていました。日清食品創始者の安藤百福さんがモデルになった話です。

 主人公である立花萬平は妻の福子と共に様々な困難を乗り越えてインスタントラーメンを開発し大成功しました。しかし時代の流れの中で新しい商品の開発に着手されました。そうしてできたのがまんぷくヌードル(カップヌードル)だったのですが、当初は思った以上に売れませんでした。その問題が価格にある(100円・現在の300円程)と多くの人が指摘しますが、頑として萬平さんは値段を下げようとしません。そうした折に、販売を担当する世良勝夫さんのセリフがこの度の言葉です。世良さんは当初からうさん臭い存在でしたので、「あんたがそれを言うか」とツッコミを入れられていましたが、言葉自体はハッとさせられました。

 人間に時として「驕慢心」という心が現れます。おごり高ぶるという意味ですが、無意識に「自分が自分が」という心情になることもあります。先日も政治家のパワハラが報道されていました。自分だけの力でその立場になった訳ではないのに「自分がやったから成功した」「自分がすごいことをやった」とそういう立場になればもしかしたらそうなってしまうのかもしれません。そうではなく、「自分の手柄じゃない、すべてはお陰さまでした」という姿勢は非常に尊く、人からも敬われる姿と思います。自信を持つことは大切なことですが、それを超えてしまうことは大きなマイナスとなります。謙虚な姿勢を忘れずに、もし行き詰った時、この世良さんの言葉を思い出してはいかがでしょうか。

 今放送中の「虎に翼」も非常に楽しみです。