今月の言葉は2005年の公共広告機構のCMの言葉です。
全体の言葉は次の通りです。
「命は大切だ」
「命を大切に」
そんなこと、
何千、何万回言われるより
「あなたが大切だ」
誰かがそう言ってくれたら、
それだけで生きていける
戦争やいじめ、何か問題があったとき、学校等で「命の大切さ」について話されることがあると思います。
それは非常に大事で必要な学びと思います。しかし子どもは、「命が」という一般論ではなく「あなたが」と言ってほしいのではないでしょうか。そして、そう言ってくれるのは
誰でもいいかと言えば、確かに誰でもいいかもしれない。だけど親から言ってもらうのが、子どもにとって
一番自然で、一番幸せなことだと、私は思います。「あなたが大切だ」と、いくつになっても、お父さん、お母さんがそう言ってくれたら、
子どもはその言葉で、本当に安心するのではないかと思います。
「自分は大切な存在なんだ」と、しっかり感じられた子は自分を大切にできるようになると思います。また他人をも大切にできるようになると思います。でも、必ずしも親からその言葉を望めないとき、子どもはそう言ってくれる誰かを探して、遠回りして、さまようことになります。
『歎異抄』の中で、「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけり。」とあります。阿弥陀さまの願いはあらゆるいのちを救う願いです。ただ親鸞様は煩悩まみれの己の姿を顧みて、救われるはずのないこの私を救うために阿弥陀さまは願いを建てられたと喜ばれたのでした。阿弥陀さまが申されます「あなたが大切、あなたを救いたい」と南無阿弥陀仏のお念仏の中にその願いが込められています。