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椿落つ…

3月の言葉は武内洞達師の言葉です。

南無阿弥陀仏と聞いて、有縁の人は有難いと思われるのではないでしょうか。しかし無縁の方にとっては「縁儀悪い」とか「死を連想する」といった印象を持たれる方も少なくないでしょう。
親鸞聖人は阿弥陀様のお慈悲を南無阿弥陀仏のおはたらきと尊く頂かれました。「かならず救うまかせよ」という阿弥陀様のお慈悲が「南無阿弥陀仏」となってこの私に今いたり届いてくださっています。生死の境界を流転するこの私を必ず救うよ、浄土に参らせほとけにならせると力強い喚び声が今この私に届いています。

この先の人生のことは誰もがわかりません。しかし「必ずお浄土に参りほとけとなる」南無阿弥陀仏と聞かせていただいた今そのことが定まっていく、そのことを頂いていく人生ですから、堂々と今この私を生き抜いていくことができます。散っていく椿もしっかりと受け止めてくれる大地があるからこそ、短いその花のいのちを輝かせていくことができるのではないでしょうか。お浄土に生まれる喜びをこの歌にしたためられました。またこの歌を別の先生が読み返されたそうです。

「受け止める 大地のありて 椿咲く」

「落つ」と「咲く」では真反対の言葉ですが、どちらも阿弥陀様のお慈悲を喜ばれた歌です。

「南無阿弥陀仏」を喜べる人生を今ともどもに歩ませて頂いています。