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3月の伝道ポスター

「世の中安穏なれ」、これは親鸞聖人の「御消息」と言われるお手紙の中の一節です。親鸞聖人が都へ去られたあと、関東ではさまざまな問題が起こりました。門弟たちから寄せられる問いに親鸞聖人は手紙で真摯に応答しました。門弟たちはその手紙を集めて指針としました。それが『御消息集(ごしょうそくしゅう)』と呼ばれるものです。このことばは、鎌倉における念仏についての訴訟をめぐって、関東の念仏者を代表して事にあたった門弟(性信房)(しょうしんぼう)に宛てた手紙のなかに出てきます。親鸞は、「念仏者は社会とどのように関わればよいのか」について、

(現代語)仏の教えに出遇って、みずからの身の救いが解決したと思う人は、仏のご恩に報いるためにお念仏を、心をこめて称え、「世の中が安らかで平穏であるように、仏法がひろまるように」と、お考えになるのがよいのです。

とお答えになっておられます。

 この戦いは正義の戦いであると、戦争を起こす人は自らを正義と訴えます。しかしその自分勝手な正義のために、どれだけ多くの人たちが悲しまなくてはならないのか、、人間に底知れぬ我執の闇がある以上、その悲しみはいつまでも消えることはありません。そうならないために親鸞様は共に生きていることの深さを教えてくれる仏の智慧が人々の心に広まっていくことが大切であると、この言葉を通して訴えてくださっているのだと味あわさせて頂きます。今大河ドラマで源平合戦が描かれていますが、まさにあの時代親鸞様は世の移り変わりをご覧になっておられました。どのような思いで見つめておられたのでしょうか。そして今この時代の争いを子どもたちはどのような目で見ているのでしょうか。もっと素晴らしい光景を子どもたちの目に映してあげたい、そのために「仏法ひろまれ」と願っていきたいと思います。

南無阿弥陀仏